人を動かす言葉の力
大きな会場を埋め尽くす大勢の人々の見つめる先には「一口かじられたリンゴのロゴマーク」。
そして「白髪混じりの無精髭に丸メガネ。黒いタートルネックとジーンズ、そして白いスニーカーを着用した白人男性」がゆっくりとステージの中央に歩き出しながら、こう語り始めます。
「この日を、私は2年半待ちました。」
会場から拍手が起こります。
「何年かに一度、世界を変えてしまう新しい商品が出現します。」
「そのような商品を一度でも世の中に送り出すことが出来るだけでも幸運なことなのに、アップルは何度かこの好機に恵まれました。」
後ろのスクリーンではこれまで世の中を変えた「マッキントッシュというPC」と「iPodという携帯音楽機器」が映し出されます。
そしてこう続けます。
「今日、また革命を起こす新しい商品を3つの発表します。」
「まず一つ目は、ワイド画面でタッチ操作のiPod」
スクリーンに「機器のアイコン」が映し出されます。
歓声と拍手が起きる会場。
少し間を置き、
「では、2つ目。」
「革命的な携帯電話」
スクリーンに「電話の受話器のアイコン」が映し出されます。
会場から「待ってました!」とばかりに大歓声と拍手が巻き起こります。
観衆のリアクションに満足げなプレゼンター。
「そして、3つ目は、画期的なインターネットコミュニケーター」
スクリーンに「アクセスしている機器のアイコン」が現れます。
拍手が起こる会場。
そしてプレゼンターはこう続けます。
「この3つです。」
「ワイド画面iPod」「革命的な電話」「画期的なインターネット通信機」
スクリーンでは別々だった3つのアイコンが一つになり、回転し始めます。
プレゼンターは笑顔で続けます。
「iPod」「電話」「インターネット通信機」
何かに気付いた観衆から笑い声とざわめきが起き、そして歓声へと変わり始め、すぐに拍手と大歓声に変わります。
「わかりましたか?」
プレゼンターの声がかき消されんばかりの歓声が起こっています。
「これらは3つに分かれていないのです。」
「これは一つなんです。」
会場から再び大歓声と拍手が巻き起こります。
「私達(開発チーム)はそれをこう呼んでいます。」
「iPhoneと。」
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プレゼンテーション
masaです。
いよいよプレゼンテーションです。
今回は冒頭である人が実際に行ったプレゼンテーションを書いてみました。
商品名が出てきているので、言わなくても分かりますよね。
そうです。プレゼンテーションの達人と言われたカリスマ経営者。
故スティーブ ジョブズ氏のプレゼンテーションです。
2007年1月9日、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコで開催された博覧会で、実際に披露した「最初のiPhoneのプレゼンテーション」のイントロダクションです。
それまでの「スマートフォン」と言われる携帯電話の常識を覆し、フルフラットのタッチパネルスクリーンとホームボタンのみというシンプルなデザイン。
まったく新しい携帯電話が世の中に誕生した瞬間でした。
彼の威風堂々とした「スタイル」と隅々まで熟知した「商品知識」、そして、圧倒的な「商品愛」がひしひしを伝わてくるものでした。
まさに、「お気に入りのおもちゃのいいところをみんなに伝えている子供」のような無邪気ささえ感じ取れます。
※ちなみに、この後の「これがiPhoneです。」とスクリーンで見せる写真があるのですが、会場が爆笑に包まれます。答えは動画でご覧ください。
ジョブズ氏のプレゼンテーションは、日ごろあなたが行っているプレゼンテーションにも通じるものがあると思います。
私たちも日々の商談の中でプレゼンテーションを行います。
それは店頭であったり、お客様先であったり、または、会議室であったりと様々でしょう。
もちろん、ジョブズ氏のプレゼンテーションのように「巨大なスクリーン」をはじめ、「煌びやかな照明」や「感情を揺さぶる演出」があるような派手なものではないかもしれません。
しかし、規模の大小に関係なく、プレゼンテーションの「ゴール」は一緒です。
それは、「商品の情報を提示し、お客様の理解と納得を得る」ということです。
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プレゼンテーションの重要性
「プレゼンテーション」という言葉を最近ではよく耳にしますよね。
当たり前の話ですが、それに比例して、プレゼンテーションがとても身近なものとなってきました。
自己啓発セミナーやHowtoセミナーでも見ることが出来ますし、Youtubeにおいては、たくさんのジャンルのプレゼンテーションがアップされています。
その方法もホワイトボードを使用たものやパワーポイントを使用したプレゼンテーションと様々です。
方法だけではなく、プレゼンターによっても伝え方や伝わり方が違いますよね。
シンプルで分かりやすいプレゼンターもいれば、難しい言葉やデータを使うプレゼンターもいます。
もちろん、プレゼンターとしての能力が高いことに越したことはありません。
現に、プレゼンテーションの重要性に着目し、能力向上についての本や講義も数多く存在しています。
それだけ、プレゼンテーションというものが商談に与える影響が大きいと言っても過言ではないのかもしれません。
しかし、「③商品のプレゼンテーション」では、プレゼンテーション能力の向上が目的ではありません。
プレゼンテーションの重要性を知って頂き、プレゼンテーションでやるべきことをご紹介致します。
そもそも、なぜプレゼンテーションを行うのでしょう?
それは、プレゼンテーションに「人の気持ちを動かす大きな力がある」からに他なりません。
では、なぜ人の気持ちを変えてしまうほどの力を持っているのでしょうか?
それは、お客様の不満を解消できる商品の「特徴」を紹介し、それを「利点」に置き換えた説明をすることによって、お客様に「納得」してもらうことができるからです。
それにより、お客様はその商品に「関心」を持ち、「必要性」を感じ、「好意」を持ってくれるのです。
それが「プレゼンテーションの持つ力」です。
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