販売に影響をおよぼすもの
masaです。
応用編です。
とはいっても、当たり前にされている方がほとんどでしょうが、再確認の意味も込めてご覧ください。
今回は販売活動を行う中で存在する、商談の成否に影響を及ぼす様々な要因について述べさせていただきます。
まずはじめに「商談の基礎」をざっくり復習してみましょう。
①needs、wantsの把握
②お客様への共感・同意
③商品のプレゼンテーション
④テストクロージング
⑤障害の確認・克服
⑥クロージング
でしたよね。
ニーズの把握から始まり、背景や不満の仮説と立証
立証された不満を解決できる商品の特徴と利点の紹介
「障害」の確認と克服
クロージングの成功
大変シンプルです。
しかし、ここで我々セールススタッフが日々販売活動を思い返してみて下さい。
プロセスはシンプルですが、高額な商品やその商品の規模、また構造が複雑なものになればなるほど、お客様の誘導が思い通りになりにくい傾向にあると言えます。
なぜなら、実際の商談では、シンプルではない、現実的不特定多数である複雑な「要因」が絡んでくるはずです。
その「要因」とはどんなものでしょうか?
●製品
●競争
●価格
●セールス(営業マン・販売員)
●会社(メーカー)のイメージ
●会社(メーカー)の経営方針
●市場環境(経済環境)
●お客様を取り巻く状況
●第三者の存在(意思決定者と影響者)
●個人ニーズ
などなど数多く存在するはずです。
それらはセールスにとって、「プラスの影響を及ぼすもの」と、「マイナスの影響を及ぼすもの」が存在します。
また、その「影響を及ぼすもの」は、そのときどきの状況によって様々なものに変化します。
そして、「影響を及ぼすもの」はセールス自身によって「コントロールできるもの」もあれば、「コントロールできないもの」もあるのです。
その「要因」をどう処理するかによって商談は大きく変化します。
つまり、セールスが「プラスに働く要因」を最大限に活かし、「マイナスに働く要因」を最小限に抑えることが出来れば、必然的に成約率は向上するということです。
では、どのように整理し対応していけばいいのでしょうか?
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プラス&マイナス
お客様からの「ヒアリング(傾聴)」から読み取ることが出来る「プラスの影響を及ぼすもの」と「マイナスの影響を及ぼすもの」を確認します。
「プラスの影響をおよぼすもの」とはもちろん、我々セールスにとって有利な「武器」となりうる重要なコンテンツです。多ければ多いほど商談が進めやすくなります。
では、言わばその対極にあたる「マイナスの影響をおよぼすもの」とは、我々セールスにとってマイナスでしかないものなのでしょうか?
いえ、違います。「マイナスの影響をおよぼすもの」とは、ずばり「障害」で構成されていることが多いのです。
「商談の基礎」の⑤障害の確認・克服を思い出して下さい。
障害には、
●「不審」=お客様があなたの商品を疑っている状態 → 証拠の提示による「不審」の払拭
●「無関心」=お客様があなたの商品の持つ利点に心当たりがない状態 → 別のニーズor潜在的なニーズを明らかにし利点を説明することによる「無関心」の払拭
●「誤解」=お客様の情報不足による誤認(不実)の状態 → 新しい事実と情報の提示による「誤解」の払拭
●「反論」=お客様があなたの商品に対して反対している状態 → その他の受け入れられた利点の説明による「反論」の抑制
の「4つのアウト」がありましたよね。
お分かりの通り、
「不審」「無関心」「誤解」は払拭することができます。
むしろ、潜在的ニーズを明らかにすることでプラスの要因に転換出来うるケースもあります。
ですから、「マイナスの影響をおよぼすもの」が多いからと言って全てが「マイナス」に働くわけではないのです。
ここで重要なのは「本当にマイナスの影響をおよぼすもの」をしっかり見極めるということです。
つまり、「マイナスの影響をおよぼすもの」を、我々セールスに「コントロールできるもの」と「コントロールできないもの」とに分類することです。
それにより、商談においてのプレゼンテーションの優先順位を明らかにし、着地点までの誘導をスマートに行うとこができるはずです。
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プラスとマイナスの分類
ここからは図を用いてご説明させて頂きます。
まず、上を「プラスの影響をおよぼすもの」、下を「マイナスの影響をおよぼすもの」を分類します。
さらに、それらを右に「コントロールできるもの」、左に「コントロールできないもの」とに分類するのです。
そうすると、上の図のように4つのカテゴリーが形成されます。
お客様との商談の中で、要因がそれぞれのカテゴリーへと分類されていきますよね。
住宅のセールスを例にして考えてみましょう。
セールスが把握した要因
●消費税が上がる前に購入
●建設予定地が狭い
●来年役員に昇格
●通勤に使う駅が近い
●弊社の事をあまり知らない
●屋根裏部屋が欲しい
●建築技術に関心をもっている
●親戚が○○建設(ライバル会社)で建てて勧めてきている
●大手の会社についてはステータス性を感じている
●予算を300万円オーバーしている
●デザインが気に入っている
では、ここまでの要因を「プラスの影響をおよぼすもの」と「マイナスの影響をおよぼすもの」に分けましょう。
プラス
●消費税が上がる前に購入
●来年役員に昇格
●通勤に使う駅が近い
●屋根裏部屋が欲しい
●弊社の建築技術の高さに関心
●間取りは気に入っている
マイナス
●建設予定地が狭い
●親戚が○○建設(ライバル会社)で建てて勧めてきている
●弊社の事をあまり知らない
●大手の会社についてはステータス性を感じている
●予算を300万円オーバーしている
基本的に「プラスの影響をおよぼすもの」は「メリット」や「得意なところ」といった内容なので仕分けしやすいですよね。
ここからさらに「コントロールできるもの」と「コントロールできないもの」に分類していきます。
すると、
このように分類しました。
「コントロールできるもの」は、
私たちがその性質を高めたり、また、払拭できるもの
のことです。
つまり、このケースの場合、「大手の会社の方が良いのかなと思っている」という「マイナスの影響をおよぼすもの」をコントロールすることによって、そのマイナスを消すことが可能です。
また、「プラスの影響をおよぼすもの」をコントロールすることで、強みを活かすことで性質と価値の向上を図り、購買意欲を刺激する事が可能となります。
「コントロールできないもの」は、
私たちがその性質を高めたり、また、払拭できないもの
のことです。
今回のケースだと、消費税やお客様の人事など我々がコントロールできることではないですよね。しかし商談を進めるにあたり決してマイナスの要因ではないのです。
また、私たちが泣こうが喚こうが土地が物理的に広くなることも、300万降ってくることもありませんし、ましてや親戚の勧めを止める権利もないのです。
では、「コントロールできないものマイナスの影響をおよぼすもの」は指をくわえて見てるだけしかできないのでしょうか?
いえいえ、なぜこの整理と分類を行ったのか?
この応用編の冒頭でも述べましたが、
「プラスに働く要因」を最大限に活かし、「マイナスに働く要因」を最小限に抑えることが出来れば、必然的に成約率は向上する
まさに最大限に活かせる「プラスに働く要因」と最小限に抑えなければならない「マイナスに働く要因」を明確にする為です。
分類が終わればあとは個別に対応していきましょう。
①マイナスの払拭またはプラス要因でカバーできるもの
「障害」は少ない方が商談を勧めやすいですので、払拭できるマイナスの影響をおよぼすものはなくしましょう。
②強化する、価値の向上ができるもの
「反論」を最小限に抑える為に必要不可欠な「武器」です。最大限強化して戦いに挑みましょう。
③最小限に抑えるもの
消すことのできない事実です。最大限に強化した「武器」で最小限に抑えましょう。
④活用できるもの、利用できるもの
利用できるものがないかを見極め、使えるものがあれば活用しましょう。
いかかでしたか?
日々の活動の中で心当たりがありましたか?
ぜひ商談の中でこの分類と整理を行っていただき、あなたの契約締結に少しでもお役立てください。
「プラスに働く要因」を最大限に活かし、「マイナスに働く要因」を最小限に抑えることが出来れば、必然的に成約率は向上するのです。 スポンサードリンク
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