①needs、wantsの把握~質問の手法~

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「聞き上手」こそ「売れる」近道

masaです。

これまで顧客ニーズから不満の把握の重要性について説明させていただきました。

「お客様のニーズにもっと興味を持つ」そして「お客様にその真意について質問をする」と「不満」にたどり着くということです。

さて、お客様の誰もが質問をしたらなんでも話してくれるでしょうか?

正直、私の経験からしても、全員がそんな「お話し好き」のお客様ではありません。

ましてや、自分のことについてですので、「疑り深い方」、「不信感を持たれてる方」、そもそも「シャイな方」など、なかなか進んで教えてはくれませんよね。

ちなみに、質問ってどんなものがあるでしょうか?

「今日は何するの?」「明日は雨降る?」「何してるの?」「このビール飲んでいい?」

言い方や単語を変えればいくらでもでてきます。

商談においても、お客様や商品によって、質問は様々です。

質問の数だけ見れば、それこそ気の遠くなるような数だけ存在します。

しかし、「質問の方法」として見れば、実は質問はたった「2種類」しかないのです。

それは、「拡大質問」「限定質問」と呼ばれています。

ニーズの把握の手法として用いられる基本中の基本ですよね。

「そんなのもうとっくに知ってるよ。」という方は、②お客様への共感・同意にお進みください。

もしお時間あるなら、復習を兼ねてご覧ください。

関連:お客様への共感・同意

関連:商品のプレゼンテーション~その①~

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「拡大質問」

「拡大質問」(open question)とは「答えの間口を広げることで、お客様が自由に話してくれるように誘導する質問の手法」です。

「何をお探しですか?」「どのようなタイプのお部屋をご希望ですか?」といった質問です。

つまり、「はい」や「いいえ」、「単語」だけではなく、「より詳しい文章」で答えてもらう手法と言えます。

主に最初の質問として要いて「お客様がどんな人か」を見極める手段として有効です。

お客様が自分のニーズについて「良く話してくれそう」だったら拡大質問を続けます。


店員さん「何をお探しですかぁ?」(拡大)

お客様「ジャケットをさがしてるんですよ。」

店員さん「ありがとうございます。どのようなジャケットをお探しですか?」(拡大)

お客様「3日後に社員研修があるんですけど、その時に着ていけるフォーマルなジャケットがあったらいいなと思ってるんですけど、その時だけではもったいないので、プライベートでも着られるようなジャケットがあれば言うことないですね。」

店員さん「わかります!そうですよね。そういうのが1着あったら便利ですよね。ちなみに具体的なイメージはございますか?」(拡大)

お客様「ブルー系の色で、且つ、少し遊びの入っているジャケットがいいなぁって思ってます。」

店員さん「ブルー系でワンポイント遊びのあるものですね。カッコいいですよね。ちなみに、どうしてブルーなのですか?」(拡大)

お客様「愛読している雑誌に載っててかっこいいなぁって思ったんです。自分もこんな格好してみたいって。」


いかがですか?

お客様が自分から話してくれる方であれば、「拡大質問」のみで「ニーズの把握」が可能となります。

また、拡大質問を使うタイミングとして適しているのは、

「いろいろと問題があるんですよぉ・・・・・。」「いろいろと検討してまして・・・・・。」

という反応が出た時にも「拡大質問」は有効な手法です。

「とおっしゃいますと?」や「ちなみに、ほかにどのようなことが気になってますか?」

など「拡大質問」を行うことでもっと「不満の把握」に近づくことが出来ると言っても過言ではありません。

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「限定質問」

「限定質問」(closed question)とは「お客様の返事を限定する質問の手法」です。

また、私たち営業マンが選んだ「特定の話題」に会話を導く為に、お客様の答えを限定する質問です。

「コンパクトカーをお探しですか?」「これは便利だと思いますか?」といった質問です。

つまり、「はい」や「いいえ」、もしくは、「単語」のみで答えてもらう手法です。

主に「拡大質問」をしても、「お客様が率先して答えてくれないとき」

また、「答えを限定し、会話の流れを思う方向に導きたい」時に使用します。


 

店員さん「何をお探しですかぁ?」(拡大)

お客様「あっ、まぁ、ジャケットを」

店員さん「ありがとうございます。お仕事用ですか?」(限定)

お客様「まぁ、仕事でも着ます。」

店員さん「お仕事で着られるジャケットですね。ちなみに、お仕事で「も」と言うことは、プライベートでも着られるものをお探しですか?」(限定)

お客様「あっ、そうですね。出来ればそうしたいです。」

店員さん「ありがとうございます。では、1着で仕事もプライベートもこなせるジャケットをお探しなんですね?」(限定)

お客様「あっ、はい。」

店員さん「かしこまりました。ジャケットの色なんですが、何色がお好みですか?」(限定)

お客様「まぁ、ブルー系がいいなぁって思ってます。」

店員さん「ブルー系ですか?いい色ですよね。ベストな提案をさせていただく為、どのようなイメージのものがいいか教えていただけますか?」(拡大)

お客様「あっ、はい。実は3日後に社員研修がありまして、そのときに着れるジャケットを探しています。」


 

「限定質問」の使用事例いかがでしたか?

正直、こんなお客様いらっしゃいますよね。

「拡大質問」から始まり、反応が薄いと感じると「限定質問」を要いて特定の話題、つまり答えを限定して誘導しています。

「限定質問」を繰り返すことによって「不信感」や「緊張感」がほぐれていきます。

「ベストな提案をさせていただく為」というキーワードを伝え、再度「拡大質問」を行い、本質を話して頂くことに成功しました。

つまり、「限定質問」を使い、最終的に会話の流れを自分の思う方向に導くことが出来たのです。

まとめ

今回は「拡大質問」と「限定質問」について説明させていただきました。

ご理解いただけたでしょうか?

「拡大質問」は商談の開始にあたって適している質問の手法です。「拡大質問」することによってお客様の反応を見極めることが出来ます。

「限定質問」は口が重いお客様に有効な手法と言えます。

そして、「限定質問」を繰り返すことによって会話が生まれ、結果的に「不信感」や「緊張感」を払拭し、「拡大質問」にも答えてくれるようになってくれるはずです。

「拡大質問」をしてうまくいかない時は、「限定質問」を使ってください。

最初は意識して使うようにしてください。

最初は巧くいかないかもしれませんが、何事も意識することが重要です。

意識して使うことで、本当に自分のものになります。

そうなると、戦略的な誘導が可能となります。※

(※これは質問の手法の応用になりますので、ここでは割愛いたします。)

とにかく、この手法はこれから商談を進めるにあたり、必要なテクニックとなります。ぜひ、マスターしたい手法です。

この方法で、「ニーズの把握」をし、「不満」を探り、「不満の質」を導き出し、商談の主導権を取り、商談を優位に進めましょう!

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About masaprocess 81 Articles
1980年生まれ。公立高校を卒業後、単身アメリカへ留学。コミュニティーカレッジにて経営学を先行し、卒業。帰国後、2006年、某国産新車営業職に従順。売れない営業マンというレッテルを張られあきらめず頑張った2年間の末、「商談の基礎」を構築。それを基に飛躍的に成績を伸ばすことに成功。2013年、更なる高みを目指し、某高級輸入車新車営業に転職。2016年、現在も精力的に活躍中。自称:売れなかった営業マン。

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